静かに佇む古い駅舎の抜海駅

◆静かに佇む古い駅舎の抜海駅

日本最北の貨車駅となる勇知駅を後に次ぎの抜海駅に向かった。サロベツ原野の中を一般道は抜海方面に伸びている。そろそろ夕焼けがきれいな時間帯となってきている。日本海に沈む夕焼けが見たいと思っていたが、ここで通せんぼを食らってしまった。そう、たくさんの牛が、外の牧草地から牛舎に帰るため道路を横断しているのだ。こんな光景今まではじめて見たのでびっくりした。なんて長閑な風景なんだ。車を止め牛たちが牛舎に帰るまで、道路は通行止め状態だが、牛たちを見ていると文句を言う言葉が見つからなかった。やがて牛たちがすべて横断して行き、元の静かなサロベツ原野の風景に戻った。そして車を進めると、やがて抜海駅に着いたのであった。駅周辺に民家が数件あるようだが、それ以外は何もなさそうなさびしいところのようだ。抜海駅舎は、古くて立派な木造建築として静かに佇んでいた。大正時代に造られた駅だが、駅舎内も昔のままの風情を残し、なかなかレトロ感の楽しめるすばらしい駅舎のようだ。ホームに出てみると、2面2線の列車交換可能となっている駅だ。ここから次ぎの南稚内までは、かなりの距離があるので交換設備は撤去されないのであろう。そしてホームから見る駅舎がまたすばらしい。夕日を一身に浴びて赤っぽい色に映る抜海駅舎は、見事であった。