おしゃれな駅舎の兜沼駅

◆おしゃれな駅舎の兜沼駅

めちゃくちゃ小さい待合室の徳満駅だったが、次ぎの兜沼駅はどんな駅舎が待っているのだろうと楽しみに向かった。しかし、徳満駅の次には、数年前に廃止となった芦川駅がある。この駅跡にも立ち寄りたかったが、夕暮れが近づくサロベツ原野の中を探していては、絶景の利尻島を見逃してしまいそうだった。あえて涙を呑んで芦川駅跡を探すのを諦め兜沼駅に車を進めた。国道から離れ、サロベツ原野の中を延々と進むとやがて兜沼駅に着いた。駅舎は、JR民営化後に建て替えられたようで、なかなかおしゃれなデザインの駅舎だ。しかし、新しい駅舎より、古い駅舎を期待している筆者にとっては、残念としかコメントできない。駅の前には、駅の名前と同じ兜沼が広がっていて、なかなか景色がいい。夕暮れがだいぶ近づいていて、さびしそうな雰囲気に辺りは包まれてきている。誰もいないこの駅に、私一人が兜沼を独占しているようでなぜかもったいないような気がする。たった一人のビンボー旅は、孤独であるが、それゆえ旅の味わいを数倍も満喫できるのであった。